【GW】徳島行ってきた【2日目】【後編】
前回のあらすじ
ファガスの森のオーナーさんと愉快な仲間たちの宴会に参加させて頂き腹を満たした山田メガネ。
テント設営を終えて向かった四季美谷温泉ではやはりというか、前を隠さない徳島特有(?)の温泉文化の洗礼(!?)が待っていた。
(新)林道木屋平木沢線
せっかく四季美谷温泉の人に道を訊いたのに、初っ端から道間違えて反対方向へ行って中々給油できなかった話は割愛。
給油後、来た道を戻って確認済みの分岐点へ。
ここな。
案内の看板によれば、ここから登っていくと、ファガスの森から進めなかった区間の先へ合流するらしい。
おそらくこれは林道木屋平木沢線。
全線舗装済み。
えっちらおっちら、身軽な車体でトコトコ登っていく。
宴会に参加したり温泉に入ったり道に迷ったりガソリン入れたりしている間にいつの間にか夕闇が迫りつつある。
今はまだ明るいが、林道走破中に日が沈んだりすると、ちょっとまずい。
セローの貧弱なヘッドライトでは十分な光量は得られないだろうし、増設したフォグランプは絶賛故障中である。
迫る夕闇
この道本当に合ってるのかな、と不安になり始めた頃、ようやくスーパー林道へ入った。
舗装されていたのは林道木屋平木沢線だけで、スーパー林道へ入った途端にダートに戻る。
林道木屋平木沢線から見て右手側すぐのところに、通行止めの看板があった。
こっちがファガスの森方面だろう。
ここは林道分岐点、川成分岐というらしい。
看板をさらに詳しく見る。
「ファガスの森まで11km」
「奥槍戸山の家まで26.7km」
「終点合流点まで44.5km」
とある。
ううーん、今から終点合流点まで行くのはどう考えても自殺行為だろう。
というか、奥槍戸まで行くのも難しい。
諦めて来た道を引き返すか。
……ていうか、あの奥に見える道はなんだろう。
例によって写真を載せられないのでうまく伝わらないかもしれないが、この林道木屋平木沢線とスーパー林道の合流地点、十字路になっているのである。
こんな感じ。
?
↑
奥槍戸、終点← →ファガスの森
↓
林道木屋平木沢線
周囲を見回すと、別の真新しい看板が。
「町道剣山線(スーパー林道)略図」とある。
この図によれば、上記は「(新)林道木屋平木沢線」というらしい。
新しい!(CV: 荻野可鈴)
地図を見る限り、これを通って国道193号へ出れば、再びファガスの森に戻れそうだ。
恐らく、そして残念なことに、たいして長くない林道だろうし、まあこれなら安全に帰れるだろう。
暗闇のファガス
実際に(新)林道木屋平木沢線を走ってみると、舗装されていない区間はもうほとんど残っていなかった。
というか、これから舗装されるのを待っている状況だった。
(新)とあるが、要するに、反対側から伸びてきていた林道を、スーパー林道と交差させて繋ごう、という意図のようだ。
すぐに道から(新)感はなくなった。
暗い。
圧倒的暗さ。
暗いよー、寒いよー、そしてどんだけ遠いんだよ、とぼやきつつ、再びスーパー林道入り口へ。
真っ暗やん……。
こんな真っ暗な中ダート走るとか、正気の沙汰やないな……。
闇夜を切り裂くとはとても言えない心細く頼りないセローのヘッドライトの先に、ようやくファガスの森が見えてきた。
さすがに真っ暗である。
カーブを曲がりながらアプローチ。
すると、まずはテントが一基、原っぱに見えた。
灯りが灯っており、ちょっとホッとする。
レストランに正対する形でバイクを止める。
レストランの軒下の僕のテントがヘッドライトの先に照らし出される。
おお、今日も緑だなあ、こいつは。
そして、向かい側に灯りのないテントの姿が……。
おおう……。
こちらスネーク
昨日に引き続いて、今日も忍者のように忍ばねばならんのですか……。
バイクのエンジンを切ると、本当に静か。
虫の音もなく、ただ時折風の吹き抜ける音だけが満天の星空の下に静かにさざめく。
ヘルメットやら残っていた手荷物を仕舞い込もうと、ウッドデッキに足をかけると、
ぎしっ
ぎしあんあん、と続けばいいのに、ただただ僕の足音だけが静かに、そして確実に鳴り響く。
というか、トレッキングシューズの着地音すら鳴り響く。
僕、これでも靴下履なら自宅の階段完全無音で駆け上がれるんですけど……。
となりのテントを伺うが、特に動きは見られない。
とりあえずトレッキングシューズをパチモンのクロックスに履き替えるとそんなに音はしなくなった。
しかし、まだまだ問題はある。
昼間、オーナーさん達に包んで頂いた夕飯。
あれ、みんなプラスチックのパックに入ってるんだよね。
小学校の時行った映画館で、お昼ご飯のおにぎりの入ったパックをバキッ、バキバキッと言わせて周りの人から一斉に見られた記憶が蘇る。
そんな中、原っぱの人のテントの灯りが消える。
ちょ、早くない?
まだ八時だよ?
なんでみんなもう寝ようとしてんの?
しかし、腹は減った……。
パックの中で汗をかいた炊き込みご飯は、実に美味しそうだ……。
バキッ、バキバキッ
恐る恐るとなりの様子を伺うが、やはり動きはない。
……これ、いないんじゃないかな……?
夕飯を食べ終え歯を磨き、携帯ランタンで本を読み、そろそろ寝ようかな、という頃になって、隣のテントの人が帰ってきた。
もう寝るしかなかった。